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チャリティーロットをカウントするの妥当だろうか?

これは週末にティファニーブルーのノーチラスの落札結果について話していたときに、あるコレクターから言われたことで、それまで考えたことのなかった興味深いトピックだ。チャリティーロットを既存のロットと同列にカウントするの妥当だろうか? というものだ。オークションで時計を落札したときの値段だから当然カウントされる? まあ、そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

今年は時計メーカーが特定の限定された時計をオークションに出品して、高額落札の話題から得られる宣伝効果を狙うという新しいトレンドが生まれた。2021年4月にオーデマ ピゲがこの手法を初めて採用し、ロイヤルオーク コンセプト "ブラックパンサー" フライング・トゥールビヨンのユニークピースが520万ドル(約5億9625万円)で落札された。これはオーデマ ピゲのオークションでの記録を更新し、収益がふたつの子供のための慈善団体に寄付された。

あの落札結果について、まだ誰か話題にしているだろうか? 私は正直なところ、この話に取り掛かるまでもう忘れていた。それは記録を破ったにも関わらず、である。ティファニーブルーのノーチラスRef.5711はその記録更新を主張することすらできないのだ。

先日HODINKEE Radioでベンが指摘していたように、チャリティーが絡むとオークションは少しおかしくなる傾向がある。残っている169個のティファニーブルーのノーチラスが100万ドルや200万ドル以上で取引されるとは、知識のある時計コレクターは誰も考えていないだろう。もちろん次に別の個体が出てくるのを待つしかない。しかし考えてみて欲しい。もし同じような状態のピンクゴールドのRef.1518が出てきたらサザビーズが達成した金額でざっくり見積もっても誰も疑わないだろう。

この週末の後、私はチャリティーオークションを伝統的な時計取引市場のなかでの絶対的基準とするのではなく、時計の世界のワイルドな一面に過ぎないと考えるべきだと確信した。

「チャリティーのために時計を販売するという豊かですばらしい伝統があり、その記録はますますすばらしいものになっています」と語るのは、クリスティーズで5年間、時計部門の国際責任者を務めた経験を持つリアドン氏だ。「オークションを開催し、慈善団体を巻き込むことでブランドは感情と競争原理という価格を引き上げるふたつの重要な要素を織り込んだ価格帯で市場比較を行うことができます。フィリップスでノーチラスに650万ドルを支払った人は、すばらしいチャリティーを支援できたことに満足していることでしょう。同時に小売価格で時計を受け取ったほかの169人の人々は、自分の腕のまったく同じ時計が650万ドルで売れたことを友人に伝えることができ、とても良い気分になるでしょう。これはブランドにとっても慈善団体にとっても、そしてオークションハウスにとってもメリットがあります。“三方よし”のビジネスモデルはほとんど存在しませんが、チャリティーオークションはそのひとつなのです」

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