仕上げの最高峰とされるのは極限まで手作業で行われることだ。手作業による仕上げが部分的、あるいはまったくないということは、その時計に手作業の工程がないということを意味するものではない。手作業による仕上げがほとんどない時計でも、組み立て、品質管理、ムーブメントの微調整などの工程では、少なくとも何らかの手作業に依ることが多く、場合によっては多くの手作業が行われていることもある。一部のブランドでは、ケース研磨、ダイヤル装飾や針、あるいはダイヤルそのものの製造工程に手作業を多く採り入れているが、ムーブメントの仕上げにはほとんど手作業がないものもある。とはいえ、精度の高い工業用仕上げ機を使用すれば、精密機器を目にしたときのような直感的な魅力をもつ非常に美しいムーブメントを作ることができる。だが、それ自体が高級時計製造とはみなされない。
ベーシックな量産ムーブメント:バルジュー/ETA 7750のローターを取り外した状態。スティール製の部品は回転研磨機がかけられているが、それ以外のほとんどの部品は未施工のままで、ネジやブリッジには工具の跡がはっきりと残っている。全体にベントワイヤーとフラットワイヤースプリングが使用されている。
1910年ごろのジャガー・ルクルト製クロノグラフ・ミニッツリピーター懐中時計のムーブメント。ETA 7750と比較して、6時位置にある帰零ハンマーのバネが美しく形成され、焼き入れされ、そして研磨されていることに注目してほしい。ETA7750もこのムーブメントも、それぞれに優れた時計製造の例だ。
私が初めて買った腕時計 URL 2022年01月12日(水)12時45分 編集・削除
その時計を振り返ることで、私は昔の自分、そして今の自分を知ることができた。ロレックスすべての時計には、何かしらのストーリーがあるのではないだろうか。たとえそれが、自分以外の誰かにとっては何の意味もないものであっても。私はそう思っている。